自動車について・・・・・その2(ブレーキング)

自動車について・・・・・その2(ブレーキング)

自動車安全運転センター・安全運転中央研修所においての話です。
研修の初日は座学で、二日目からは前回お話しした乗車姿勢、いわゆるドライビングポジション、次にブレーキングの練習をしました。
ブレーキングの練習は三日間ぐらいつづいたでしょうか、毎日毎日ブレーキばかり踏み続けたのです。
練習内容は、時速100キロで走行して、そこからフルブレーキング、思いっきりロックさせて車を停止させるというものです。
簡単そうに思えるかも知れませんが、受講生約80人のうち成功したのは一割にも満たなかったと思います。それは、時速100キロからのフルブレーキという恐怖心が先にたち、ブレーキの足をゆるめてしまうからです。
結果はどうなると思いますか?
ブレーキの足をゆるめると、走行路面へ後輪のグリップが戻りスピンしてしまうのです。
びびってブレーキの足をゆるめたのですから、スピンすると益々パニック状態に陥ることは明らかですよね

因みに、車の床が抜けるくらい思いっきりブレーキを掛けた場合は後輪がロックされ、そのままタイヤと路面の摩擦により真っ直ぐ停止することが出来るのです。
車は基本操作を間違わなければ横転することはないのです。
今まで話したのは、あくまでもABS(アンチロック・ブレーキシ・ステム)が装着されていない車の話です。
講習では、スイッチでABSがオンになったりオフになったり出来る特殊な車でABS作動時と未作動時の違いを体験しながら訓練しました。

ABS装着車(現在はほとんどが標準装備されている)については、思いっきりブレーキを踏むと押し返される感覚があります。これはABSが作動してる証拠で、そのまま足をゆるめずに運転することが基本です。
そうすることによって、ABS作動中はハンドル操作が効くのです。(因みにABS未装着車はフルロックするとハンドルは効かない)
しかし、デメリットとしてABSが効いてびっくりして足を緩めるとABSの作動が終わり、ハンドルの操作が効かなくなるのです。つまり、ABSが作動して後輪が細かく機械で制御された状態でなければハンドル操作が出来ないのです。

このABSという装置は大変優れもので、講習中、走行している車の前に、急に三角コーンを投げられてもハンドルが効くので回避することが出来ました。

フルブレーキに慣れるまで、私は三日間位かかったでしょうか、毎日、毎日ブレーキだけを踏み続けました。
しかしそれが現在の運転に大変役立っていると思いますし、自分自身の宝物になっていると今でも思っています。

ブレーキングを確実なものにすれば、自分自身の身を守れることは当然でありますが、何より歩行者や他の車両も助けることになりますので、皆さんも機会があれば練習してみてはいかがでしょうか。

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